■おすすめのワーケーション先
ワーケーションとは、「ワーク」と「バケーション」を組み合わせた造語で、
リゾート地や観光地などに滞在し、仕事をしながら余暇を楽しむ新しい働き方のことです。
2000年代にアメリカから始まったワークスタイルですが、日本ではコロナ禍以降、
テレワークがスタンダードな働き方になったのをきっかけに、急速に広まりました。
いつもと違った環境で、リフレッシュしながら働くことができるワーケーションは、
自由な働き方を求める働き手にとって、満足度が高いものとなっています。
ワーケーションのニーズの高まりを受けて、ワーカーを受け入れる自治体側も
地域ごとの資源を活かし、バラエティに富んだプランを打ち出しています。
この記事では、地域によってさまざまな特色のある、
おすすめのワーケーション先についてご紹介します。
今後、ワーケーションを実践してみたいと考えている方は、
ワーケーション先にもいろいろな選択肢があることを知り、
ぜひご自身のプランニングに役立ててみてください。
■ワーケーションが広まった背景
ワーケーション先についてご紹介する前に、
なぜ今、国をあげてワーケーションが推進されているのか?
という理由について、少し掘り下げてご説明します。
ワーケーションは前述の通り、コロナ禍以降、
テレワークがスタンダードな働き方になったことをきっかけに広まりました。
その背景としては、近年政府が推進している「働き方改革」および「地方創生」の取り組みと
ワーケーションのメリットが合致したことが大きな要因となっています。
ワーケーションによる、働き手と自治体のメリットはそれぞれ以下のようになります。
【働き手のメリット】
・リフレッシュしながら仕事ができるため、WLBの実現が叶う
・新たな人や環境との出会いによるアイディア創出
・新しい働き方の選択肢の増加
【自治体のメリット】
・平日の旅行需要の創出
・関連事業の活性化や雇用創出
・遊休施設などの有効活用
働き方改革とは、働き手のワークライフバランスやウェルビーイングを実現するために
自律的な働き方を選択できるようにするための改革です。
ワーケーションは、そのような流れの中で、新たな働き方の選択肢の1つとなります。
それだけでなく、自治体にとっても、ワーケーション目的で訪問者が滞在することで
地域が活性化するという大きなメリットがあるのです。
そのため、各自治体は、
「各地域がそれぞれの特性を活かし、自律的で持続的な社会を創生する」
という地方創生の考えに則り、
地域の特性を活かすべく工夫を凝らしたワーケーションプランの推進をしています。
歴史のある建物をワーキングスペースとして整備したり、
地域ならではの体験ができるプランを打ち出したりと、
その内容は、見ているだけでも楽しいものになっています。
■ワーケーションにおすすめの自治体10選
それでは、以下にワーケーションにおすすめの自治体10選を紹介します。
なお、ワーケーションの滞在費用については、ワーケーション補助制度という、
ワーケーションにかかる費用の一部に補助金が出る仕組みが存在します。
自治体によって条件や支給率が異なるため、滞在を検討する際は
事前に調べておくのがおすすめです。
①北海道 倶知安町・ニセコ町
雄大な山々を臨む、自然に溢れた環境に身を置くことで、日々の喧騒から離れ、
自分と向き合いながら仕事ができます。
サイクリングやトレッキングなどのツアーや、キッズキャンプ、スキーなど
子供向けプランも多数用意されています。
②山形県 大蔵村
https://japan-telework.or.jp/wordpress/wp-content/uploads/2021/09/hijiori_vacance.pdf
ノスタルジックな温泉地、肘折温泉を拠点とした湯治×ワーケーションのプランです。
周辺観光地まで足を伸ばしたり、ワサビ収穫、こけし作り体験、蕎麦打ち体験など
体験プログラムも充実しています。
③新潟県 糸魚川市
「あえて、糸魚川」をキャッチフレーズに、海、川、山の全てが
揃っているロケーションを活かし、夏はサーフィンや川遊び、
冬はスキーや雪遊びと自然のアクティビティが充実しています。
親子を対象に化石や昆虫、植物など自然に触れられるプログラムも多数あります。
④千葉県 南房総
https://minamiboso-workation.jp/
都心から90分のワーケーション地であり、「気軽に行ける地方」として
日帰りなどの短期間でもフットワーク軽く訪れることができるのが最大の魅力です。
自然との触れ合いはもちろん、地域の課題と向き合いながら新しい事業を考えたり、
テレワークを利用した2拠点生活を試みたりなど、
新しい働き方を試せるプランが充実しています。
⑤長野県 軽井沢町
古くからリゾート地として有名な軽井沢も「リゾートテレワーク」というキーワードで
ワーケーションを推進しています。
ホテルをはじめとした様々なテレワーク施設が整備されており、
地域との交流イベントなども開催されています。
⑥福井県 敦賀市
https://fujioneworkationplace.studio.site/
港町として栄える敦賀市では、市によって旧敦賀信用金庫の建物がリノベーションされ、
FUJIONE WORKATION PLACEというワーケーションプレイスがオープンしました。
ワーキングスペースとしてだけでなく、人との交流が生まれることを重視しており、
建物内に宿泊施設なども併設されています。
⑦和歌山県 白浜町
https://wave.pref.wakayama.lg.jp/020400/workation/index.html
ワーキングスペース完備の温泉宿泊施設が多数存在し、ワーケーションの聖地と呼ばれています。
2017年という早いタイミングからワーケーション推進を行っており、
wifiスポットなどのネットワーク環境なども整備されていることから、
テレワーク環境重視の方にはおすすめです。
⑧岡山県 高梁市
https://workationtakahashi.wixsite.com/workationmonitor2022
江戸末期から続く、石州瓦と赤いベンガラで彩られた歴史ある町「吹屋ふるさと町」が
ワーケーションの舞台です。
旧吹屋小学校や寺子宿など趣のある施設がワーケーションスポットとして整備されており、
歴史を感じさせる街並みの中で非日常のワークタイムを体験することができます。
⑨瀬戸内の島々(兵庫県、岡山県、香川県、愛媛県)
https://setouchiislands.jp/worcation
瀬戸内の島々で島ぐらしを味わいながら、開放的な景色の中で
ワーケーションをすることができます。
島ごとにプランにも特色があり、砂浜ワーケーション、キャンプワーケーションなど、
海を臨む自然の中で行うワーケーションプランが充実しています。
⑩鹿児島県 錦江町
本州の最南端に近く、かつ海に面したエリアであるため、温暖な気候に加えて
農業、畜産業、海産業が盛んな地域です。
そのため自然だけでなく、地産のグルメも充実しています。
また、廃校になった中学校をリノベーションしてサテライトオフィス・コワーキングスペースを
オープンしており、整備されたワーキングスペースで仕事に集中することができます。
■海外ワーケーション
ここまでは日本国内で行うワーケーションを前提にご紹介してきましたが、
日本国内だけでなく、海外でワーケーションをするという選択肢もあります。
短期滞在の場合は旅行ビザで行けますが、
長期滞在する場合はリモートワークビザやノマドビザと呼ばれる、
ワーケーション目的での長期滞在を許可するビザを取得する必要があります。
国によって職種や働き方、収入や申請費用などの条件が異なるため、
事前によく下調べをして、余裕を持ってビザ申請などの準備を進めましょう。
現在、ワーケーション目的での長期滞在が可能な国の一部を紹介します。
【ワーケーションが可能なビザを発行している国の一例】
・アイスランド
・チェコ
・クロアチア
・エストニア
・ギリシャ
・マルタ
・ジョージア
・ケイマン諸島
・バミューダ諸島
・バルバドス
・ドバイ
・モーリシャス
・メキシコ
■まとめ
ここまでご紹介した通り、ワーケーションという新しい働き方は、
テレワークの定着化、働き方改革、地方創生などの追い風を受けて盛り上がりをみせています。
ワーケーションを行う自治体が集まって設立された「ワーケーション自治体協議会」の
参加自治体も増え続けており、今後ますますワーケーションを推進する動きは
活発化していくことが予想されます。
まだ見ぬ土地を訪れ、地域の生活文化を知るきっかけとなったり、
お気に入りの場所への長期滞在を叶えることができたりと、
ワーケーションは、ワークスタイルだけでなくライフスタイルにも変化をもたらす働き方です。
この記事を読んでワーケーションに興味を持たれた方は、
ぜひ、ワーケーションという新しい働き方を体験してみてはいかがでしょうか。
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