事業会社出身者が語る、コンサル業界への転職後に驚いたこと - ハニカム・キャリア G-111D3FR1WS

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事業会社出身者が語る、コンサル業界への転職後に驚いたこと

コンサルティングファームは、事業会社と比べて文化や仕事の進め方に違いが多いため、事業会社からの転職者が驚くことも少なくありません。

そこで、これまで転職支援を行った方々にインタビューを実施し、事業会社からコンサルティングファームに転職して「驚いたこと」や「戸惑ったこと」について聞いてみました。

「さん」付け

大手製造業から転職したAさん(20代後半)

最も驚いたのは、「さん」付け文化です。最初にシニアマネージャーから「Aさん」と呼ばれたとき、かなり驚きました。

前職では、部下は呼び捨てが当たり前で、せいぜい君付けで呼ばれる程度。

さらに驚いたのは、同じシニアマネージャーが私に敬語で質問してきたことです。

その質問は、私が得意とする分野に関するものでしたが、上司から敬語で話しかけられるなんて、前職では想像もできなかったため、最初は大きな違和感がありました。

お昼ごはん

大手金融機関から転職したBさん(30代前半)

前職では、先輩や同僚と一緒に昼食をとるのが当たり前でした。

昼の時間になると自然に誘われて、部のメンバー5人くらいで食事をしていました。

コンサルファームに転職後も、同僚と一緒に食事をすることもありますが、基本的には自分のスケジュールに合わせて一人で食事をとります。

食事の時間は11時のときもあれば、15時のときもあり、忙しいときにはサンドイッチを片手に仕事をしながら食事をすることも。

最初はこの違いに驚きました。

会社に行かない文化

大手通信業界から転職したCさん(20代半ば)

会社に行かなくても問題ないという文化に驚かされました。

コンサルファームでは、プロセスよりも成果が重視されるため、働く場所は自由であり、固定の机もありません。

今では、ノマドワーカーのように電源が使えるカフェに詳しくなりました(笑)。

その他にも、

「社長と気軽に会話ができる」、「上司や先輩に対しても遠慮なく意見を言う」といったカルチャーに驚いたという声が多かったです。

これらのカルチャーギャップに加え、プロ意識が非常に高くなるため、良くも悪くも常に緊張感を持って仕事をしているそうです。

未経験からコンサルタントになって感じた辛さ

PowerPoint/Excel/ACCESS……

中堅システムインテグレーターから転職したDさん(30代前半)

ITコンサルタントとしてのキャリアチェンジで、前職のスキルを活かせるポジションに就きましたが、PowerPointでの作業で思わぬ壁にぶつかりました。

SE時代にもPowerPointを使っていましたが、コンサルファームで求められる品質の高さに驚かされました。

「この矢印の大きさには何か理由があるの?」、「なぜこの色を選んだの?」、「このスライドで何分話すつもり?」等、マネージャーのレビューで、ほぼ全てやり直しを指示されました。

3回連続で全部やり直しとなったときは、さすがに心が折れそうになりました。

自分より若いアナリストやコンサルタントクラスが問題なくOKをもらっているのを見て、余計にプレッシャーを感じました。

ITツールは慣れれば使いこなせるようになるものですが、コンサルタントとしての基礎でつまずくのはやはり辛い経験でした。

他にも、Excelの関数やピボット、ACCESSに苦労した方も多いようです。

英語

専門商社から転職したEさん(20代後半)

TOEICスコア850で英語には自信があったものの、電話会議では全く話についていけませんでした。

コンサルタントとして求められる高度なコミュニケーションスキルを英語で発揮することが必要だったことが要因です。

これまで自信があった英語が逆にボトルネックとなり、自信を喪失してしまいました。

今では慣れたので問題ありませんが、当初は非常に苦労しました。

年齢

インターネットベンチャー企業から転職したFさん(30代前半)

前職では企画部門のマネージャーとして、事業企画の立案、若手の育成・教育、さらに会社経営にも関わっていました。

「経営スキルを高め、多様な企業の経営課題を解決したい」という志望理由で戦略コンサルティングファームへ転職しましたが、かつての部下と同年代の新卒入社組のコンサルタントが、自分と同じタイトルで圧倒的な成果を出しているのを目の当たりにして愕然としました。

自分はコンサル未経験だったため、コンサルタント業務に慣れず、プロジェクトの足を引っ張ることに…。

年齢は気にしないつもりで入社しましたが、それでもやはり情けない思いをしたことが何度もありました。

プライベートの時間が予想以上に減少

日系電機メーカーから転職したGさん(20代後半)

私が所属していた総合系コンサルファームはフリーアドレス制で、全員がノートPCを持ち歩いていました。

そのため、理論上どこでも作業が可能な体制が整っていました。

本来、フリーアドレスは席を自由に移動できるようにするためのものですが、このシステムは「プライベートがほとんどなくなる」という予期しない問題を引き起こしていました。

ノートPCを毎日家に持ち帰るため、夜間や土日でも作業ができる環境が整ってしまいました。

PCは社内ネットワークにどこからでも簡単にアクセスできるようになっていたので、プロジェクトメンバーからは夜中や土日でもPCにアクセスすることを期待され、連絡や作業指示が次々と届くようになりました。

コンサル同士のやり取りを見て、クライアントも同じように対応を求めるようになり、業務時間外や休日でもノートPCを開いて対応するのが「当たり前」となる労働環境が出来上がりました。

毎日深夜に作業指示が来るわけではなく、実際の残業時間を月平均すると60時間程度で、当時のコンサルファームとしては特別多いわけではありませんでした。

しかし、常に「何か来ているかもしれない」と考えながらメールをチェックする習慣が身につき、結果として実際の残業時間以上にプライベートの時間が大幅に削られました。

休日の予定も制限されることが多く、大きなストレスを感じることになりました。

人材の流動性の激しさ

PEファンドから転職したHさん(30代前半)

これまで外資系企業を含む複数の企業で働いてきましたが、人材の流動性に関してはコンサル業界が圧倒的で、非常に驚きました。

私が所属していたコンサルファームは総合系で、日本国内だけでも数千人のコンサルタントが在籍する大規模な組織でした。

私が入社した際、同じ月に入社した社員が約50人いました。

この時が特別多かったというわけではないそうなので、仮にそれがコンスタントに継続されるのであれば、毎年500人以上が中途で入社している計算になります。

「これほど多くの転職者が入社するのか」と驚いていたのですが、さらに驚いたのはその退職ペースです。

数ヶ月のうちに、同月入社の同僚たちが次々と退職していきました。

理由はさまざまで、自分に合ったプロジェクトが見つからなかったり、短期間でプロジェクトから外され降格リスクに直面したり(昇格・降格は四半期ごとに査定がありました)、逆にさらに評価の高い戦略系コンサルファームにあっさり転職が決まったりといったものです。

当初は「外資系だから仕方ないのかな」と考えましたが、同じ外資系でも運用会社や、知人が働く投資銀行では、これほど極端な人の出入りは見られませんでした。

したがって、これはコンサルファーム特有の現象なのだと感じました。

キャッチアップは完全に自己責任

メガベンチャーから転職したIさん(20代前半)

コンサルファームでは様々なプロジェクトが進行しており、入社後すぐにそのうちの一つにアサインされることがよくあります。

理想的には、入社前に自分のスキルセットを整理し、パートナーとコミュニケーションをとりながら、最適なプロジェクトにアサインしてもらうのが良いのだと思います。

しかし、コンサル業界未経験で転職すると、そんな戦略的な動き方はよくわからず、アサイン先も決まらないまま入社を迎えることが多いです。

私の場合も、金融系の知見を活かせると思って入社しましたが、実際にアサインされたのは金融システムの導入案件で、求められる知識はITプロジェクトの進行やシステムに関するものばかりでした。

その領域の知見は全く持っていませんでしたが、チームメンバーが助けてくれることはありませんでした。

チームメンバーも、各自が「スキルマッチしていること」を前提に動いており、組織としての教育やキャッチアップのサポートを期待する風土はありませんでした。

私自身の力不足もあり、プロジェクトの要点を掴むのに苦労し、アサインされてから2週間後には「バリューが出ていない」と批判を受けるようになり、結局、何も成果を上げられないまま3ヶ月でリリースされてしまいました。

この経験から得た教訓は、まず、キャッチアップは完全に自己責任で行うしかないということ、そして、一からキャッチアップするには自分の得意分野でなければ難しいということです。

当時は、最初のプロジェクトアサインを早く決めたくて焦っていましたが、それ以上に自分のスキルセットとプロジェクトのマッチングが何よりも重要だと痛感しました。

ミーティングに対する厳しさに驚き

大手ベンダーから転職したJさん(20代前半)

コンサルタントの仕事は、顧客への助言や課題解決を提供することでフィーを得るサービスです。

そのため、プロジェクトが進行する中で、各ミーティングにおける対応や発言が、まさにそのフィーの一部を形成すると言っても過言ではありません。

そのため、ミーティングの準備、ファシリテーション、そしてミーティング後の議事録作成に至るまで、すべてにおいて非常に高いスキルが求められます。

前職でも手を抜いたことはありませんでしたが、コンサルタントの現場では、どれだけ真剣に取り組んでも、一定のスキルがなければ満足な品質には到達しないことを痛感しました。

私がアソシエイトクラスだった頃は、週に1〜2回行われる会議に向けて、ほぼ常に次の会議の資料作成に追われる毎日でした。

資料にミスがないことはもちろん、会議の進行に合致しているか、構成や説明が論理的かどうかまで、限られた時間の中で厳しくチェックされました。

顧客とのミーティングでは、通常はマネージャーが進行を担当しますが、比較的若いマネージャーが担当していたプロジェクトでは、ディレクタークラスが会議の進め方について細かくチェックしていました。

議論が少しでも停滞したりすると、会議後には長時間の反省会が行われていたようです。

私の役割は議事録の作成でしたが、この議事録もコンサルタントプロジェクトの一部として重要視されます。

以前の職場では議事録について批判されることはありませんでしたが、コンサルタントの現場では、毎回マネージャーから大幅な修正を求められることが常でした。

録音を何度聞き返しても、満足のいく議事録を作成することはできませんでした。

コンサルファームにおける議事録の重要性は、他の業界とは一線を画しています。

議事録作成のための研修が頻繁に行われ、私も何度も参加しましたが、それでも私の議事録がポジティブに評価されることはありませんでした。

資料準備、ミーティングの進行、そして議事録作成まで、すべてにおいて非常に高い品質が求められるのが、コンサルファームの特徴です。

金融業界から転職してきた私にとって、この厳しさには大いに驚かされました。

駐在を伴うためロケーションが流動的

Tech系スタートアップから転職したKさん(30代後半)

私のオフィスは東京にありますし、日本国内のサテライトオフィスはわずかな一方、比較的大きなファームだったため全国各地にクライアントがいました。

地方案件になると、現地に駐在して対応することが多いのですが、毎回転勤するわけにはいかないため、頻繁に遠方に出向く案件も少なくありません。

私は、ある製造業のデータ分析プロジェクトで、週に3日は名古屋で客先に駐在し、残りの2日は東京で働くという生活をしていました。

もし残りの2日間にもプロジェクトが入っていれば、さらに評価が上がったかもしれませんが、その時点のバリューでは2日は案件がなく、研修を受けるなどして過ごしていました。

毎週出張が続く生活は珍しいことではなく、名古屋での3日間はホテル暮らしで、半ば「出張生活」を楽しんでいました。

ディレクタークラスになるとさらに案件数が増え、1週間のスケジュールが大阪→名古屋→東京→大阪といった具合になることもあります。

本拠地はあくまで東京なので、ホテル代がかさむのではと心配しましたが、もちろん会社が負担してくれるので不安は無用でした。

また、アジア諸国などへの出張が多い場合、これを日本と外国(例えば中国やシンガポール)間で行う人もいると聞いたことがありますが、私は実際には見たことがありません。

もしかすると、パートナークラスになるとそのような働き方もあるのかもしれませんね。

人脈形成のスキルが不可欠

大手商社から転職したLさん(20代後半)

外資系企業ではどこでも人脈形成が重要ですが、コンサルファームではその重要性がさらに増します。

ハイクラスな案件になるとチャンスは限られますし、解雇や転職を考えたときに、知人や先輩のつてがネクストキャリアの切り札になることも少なくありません。

コンサルファームでは、プロジェクトベースで仕事が進むため、組織としての育成風土がほとんどありません。

プロジェクトで成果を上げられなければ切られる可能性が高く、評価が下がれば自ら次のプロジェクトを見つけなければなりません。

したがって、スキルアップやアドバイスを得るためには、同僚や先輩との良好な人間関係を築くことが不可欠です。

コンサルファームでは社内の立食パーティーが頻繁に開かれます。

ほとんどが自由参加ですが、他のコンサルタントと積極的に交流し、いざという時にサポートしてもらえる関係を築いておくことが重要です。

伝統的な組織では上下関係が固定され、自然と人を育てたり関係を保とうとするバイアスが働きますが、コンサルファームではプロジェクト単位での活動が主流で、チームメンバーの入れ替わりも頻繁です。

そのため、能動的に人脈を築かなければ、キャリア形成に役立つ関係性を構築するのは難しくなります。

パートナー曰く「振り返ってみれば、そんな事もあったなぁ」

上記の証言者たちは全員、着実にキャリアを積み、現在はマネージャー以上に昇進されています。

中にはパートナー(役員)就任直前の方もいます。

彼らも、入社当時は前職とのギャップに戸惑い、苦労しましたが、目の前の仕事に真剣に取り組み、コンサルタントとして独り立ちできるようになったのです。

「苦労を乗り越えた人ほどコンサルタントらしくなる」、「当時は物凄く大変だったけれど、振り返ってみれば“そんなこともあったなぁ”というくらい」、「炎上プロジェクトをさらに炎上させてしまったのも、今では良い思い出」といったコメントもあります。

これからコンサルタントを目指す方や、すでにコンサルタントとして働く方にとって、このような経験が少しでも参考になれば幸いです。

今回の記事では、事業会社からコンサルティングファームに転職した際に感じた辛さや驚きについてご紹介しました。

次のキャリアをお考えの方は、ぜひお気軽に弊社までご相談ください。

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