■「越境転職」とは?増加する理由とこれからのキャリア設計 - ハニカム・キャリア G-111D3FR1WS

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■「越境転職」とは?増加する理由とこれからのキャリア設計

従来は、転職市場では即戦力が求められるため、「同じ業種や職種」への転職が一般的でした。これには経験やスキルを直接活かせる利点がありました。

しかしながら、最近では特に若手ビジネスパーソンを中心に、「越境転職」と呼ばれる業種や職種にこだわらない転職が増えています。

この転換が進んでいる理由や、越境転職が主流となる時代におけるキャリア設計の方法について解説します。

■「越境転職」とは?

越境転職とは、これまでの経験やスキルを活かしながら、転職前とは異なる業種や職種に移ることを指します。

これは単に業界や職種の枠を超えるだけでなく、異なる知識やスキルを習得し、新たな視点や経験を積み重ねることも含まれます。

越境転職の魅力は、自身の可能性を広げられることです。

異業種や異職種にチャレンジすることで、新たなキャリアパスや成長の機会が生まれます。

また、他の業界や職種から持ち込んだ知識や経験が、新しい環境での問題解決やイノベーションに貢献することも期待されます。

■越境転職が増えている背景

越境転職の増加には、ビジネス環境の大きな変化が関与しています。

少子高齢化の進行や労働人口の減少、デジタル社会への移行、AIの進展など、日本のビジネス環境は大きく変化しています。

これに伴い、すべての産業や企業が産業変革(IX=インダストリアル・トランスフォーメーション)や企業変革(CX=コーポレート・トランスフォーメーション)に直面しています。

例えば、自動車メーカーは車だけでなく「MaaS」(Mobility as a Service)を推進し、「移動のサービス」を提供する企業に変革しています。

その結果、自動車業界経験者よりもMaaSを担うデジタル人材が採用の中心になっています。

企業は異なる分野の専門知識や経験を持つ人材を採用しようとする傾向があります。

また、ビジネスパーソン自身の意識も変化しています。

「人生100年時代」において、個人の健康寿命も延びています。

これにより、一生のうちに長い期間働くことが当たり前となっています。

多くのビジネスパーソンは、働く場所にこだわらず、やりたい仕事に没頭しながら自己成長を達成したいと考えています。

終身雇用ではなく「終身成長」を実現するため、これまでの業種や職種にとらわれず、成長機会を提供してくれる産業や企業を目指して異業種や異職種への転職を選ぶ人が増えています。

■越境転職の注意点 

「越境転職」という言葉がメディアなどで頻繁に取り上げられるようになり、異業種・異職種に転身してステップアップしたいと考える人が増えています。

しかし、安易に越境を目指すことは慎重に考える必要があります。

まず、自身のスキルや経験、強みなどをベースにキャリアビジョンを描き、それを実現するためにはどのようなステップを踏むべきかを考えることが重要です。

その結果、異業種・異職種を経験することが有益だと判断できれば、越境転職を目指しましょう。

ただし、「越境ありき」でキャリアを考えるのではなく、慎重に判断することが必要です。

「異能人材として評価されそうだ」「経験を活かしつつ異分野で成長できるだろう」といった明るいイメージだけで越境転職をすると、新しい分野に適応できず成果を上げることが難しい場合もあります。

前述したように、しっかりとビジョンを描き、行動することが重要です。

また、転職した場合は過去のプライドを一時的に置き去りにし、新しい分野を学び取る姿勢が非常に重要です。

■「越境人材」として活躍するためのキャリアステップの考え方

まずは、自身の経験を振り返り、強みや持ち味、そして何にやりがいや醍醐味を感じているのかを整理しましょう。

そして、特定の業種や職種にとらわれない「ポータブルスキル」と、職種に関連した専門的な「テクニカルスキル」を洗い出すことが重要です。

言い換えれば、越境転職においても、通常の転職と同様に、「自己を知る」ことが基礎となります。

自己を知ることによって、自分にとってワクワクする仕事や役割、やりがいを感じるものが明確になり、将来のステップを考える材料になります。

その上で、自分が活躍できる可能性が異業種や異職種にもあると感じた場合には、越境転職を選択肢の一つとして検討することが良いでしょう。

ただし、熱い思いで転職しても新しい役割になじむのは簡単ではなく、苦労することも少なくありません。

そのため、転職前に異業種や異職種に触れるための「予行演習」を行うことをおすすめします。

例えば、社会人インターンシップに参加したり、副業や兼業で他社の業務を経験したり、社会人大学院やビジネススクールで異業種や異職種の人々と交流し意見を交換したりすることが挙げられます。

これにより、転職前に異業種や異職種の可能性に気付くことや、スキルや経験を磨く必要性を実感することができます。

また、これは社外だけでなく「社内」での経験でも可能です。

社内の横断プロジェクトに参加したり、勉強会やセミナーを企画して他部署の人々と交流したりすることも視野を広げる良い機会になります。

また、異動やグループ会社への出向などを通じて「社内越境」を経験することも一つの方法です。

リスクを最小限に抑えながら、越境人材としての経験を積むための選択肢として検討してみることも良いでしょう。

越境転職は新たな可能性を切り拓く一方で、適切な準備と努力が求められる挑戦です。

自身の成長とキャリアの発展を考える上で、冒険心と覚悟を持ってチャレンジすることが大切です。

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